葬儀でのお経の意味を知る

葬儀でのお経の意味を知る 日本の葬儀の大半は仏式で行われます。仏式の葬儀にはさまざまな約束事がありますが、必ず行われるのが僧侶による読経です。お経を唱えている間に会葬者が次々に焼香していくというのが一般的なスタイルです。仏式ではなぜお経を唱えるのでしょうか。宗派によってどのような違いがあるのでしょうか。もっと突き詰めて考えると、お経の成り立ちとは何なのでしょうか。

たいていの場合、遺族は葬儀会社にコンタクトを取り、相談しながら段取りを決めていきます。仏式で執り行うことにしたら、まず確認しなければならないのが自分たちの宗派は何かということです。欧米などのキリスト教圏や、タイなど仏教徒が圧倒的に多い国に比べて、日本は特定の宗教が日常的に大きな影響を与えていることはあまりありません。仏教をある程度意識するのは、有名なお寺を訪ねたり大みそかに除夜の鐘を聞く時ぐらいというのが一般的です。そうした環境にあって、仏式の際になぜ宗派が大切なポイントになるのかと言うと、僧侶が唱えるお経の内容が宗派によって異なるからです。

公益財団法人全日本仏教会の2017年度版仏教に関する実態把握調査報告書によると、一般家庭の場合、自分の家系の宗派などが分からないという人は20歳代で46.8パーセント、40歳代でも31.1パーセントを占めています。こうした背景もあってか、近親者が亡くなった場合に連絡する先は、家族と親族を除けば葬儀会社が圧倒的に多く、50歳代で29.3パーセント、60歳代では36.1パーセントとなっています。葬儀会社に一切を執り行ってもらうわけですが、その際に宗派についても確認のサポートをしてもらうことが多いからという側面があります。

お経とは何でしょうか。ひと言で言えば釈迦が口伝によって弟子たちに伝えた教えを教典としてまとめたものです。お経の内容は宗派によって違います。よく知られている宗派もあれば、あまり聞いたことがない宗派もあります。またお経のあげ方も宗派によって違いがあります。韻律が一定の様式もあれば、まるで歌っているかのような読経もあります。宗派によっては、僧侶の読経に合わせて会葬者もお経を読み上げることもあります。お経をそらんじている人は少ないので、たいていの場合は会葬者の席などにお経を書き記したものが置いてあります。難しい漢字もありますが最近はルビがふってあるものもあるので、戸惑うことは少なくなっています。

読経は誰のために行うのでしょうか。ごく普通の感覚では故人の冥福を祈り弔うためというものですが、実はそれだけではありません。お経の内容を理解すれば分かるでしょうが、お経は生きている人たちがさまざまな悩みや苦難を乗り越えていく際の釈迦のメッセージという側面もあるのです。そのため、せっかく唱えていただくお経の意味を理解することはとても重要になります。事前にどのような内容のお経をあげていただくのかを僧侶に聞くことができれば、読経の意味合いをしっかり理解することになり、お経は心の奥により深く染み入るでしょう。葬儀に対する考え方は時代の変化と共に変わってきましたが、機会があればお経の成り立ちや内容について考えてみるのもよいでしょう。

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